経絡図とツボ
足の少陽胆経
WHO 表記 |
ツボ名 | 場所 | こんな時に使う | ツボの由来 |
GB-1 | 瞳子リョウ
どうしりょう |
外眼角の外5分に取る。 | 眼の諸疾患、頭痛 | 「瞳子」は瞳孔。「リョウ」は骨の隙間を指す。本穴が眼の横にあるため。
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GB-2
| 聴会
ちょうえ |
耳珠の前下方で口を開けば陥凹のできるところに取る。 | 耳の諸疾患、歯痛、顔面神経麻痺、耳下腺炎 | 「会」は集まる。本穴は耳聾や気閉を治し、音が集まり、聴覚が戻るという意味。 |
GB-3 | 上関
じょうかん |
頬骨弓中央の上際に取る。 | 顔面神経麻痺、三叉神経痛、顔面痙攣、歯痛、頭痛 | 別名を客主人。本穴は頬骨弓を挟んで上にあるため。
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GB-4
| 頷厭
がんえん |
頭維(胃経)から曲鬢を結ぶ曲線上で頭維から4分の1のところに取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り | 「頷」は下顎を指し。「厭」は合わせる。下顎が運動する時、咀嚼筋の動きに合わせて動くため。 |
GB-5 | 懸顱
けんろ |
頭維(胃経)から曲鬢を結ぶ曲線上の中点に取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り、目赤 | 「懸」=解放する、ここでは治療をし緩和すること。「顱」=頭部。頭部の諸症状を緩和するため。
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GB-6
| 懸釐
けんり |
頭維(胃経)から曲鬢を結ぶ曲線上で頭維から4分の3のところに取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り、目赤 | 「懸」=治療をして緩和すること(頭部の諸症状に良い)。「釐」=わずかの差。懸顱穴とはわずかの差だが、山のように隔たっているという意味。 |
GB-7 | 曲鬢
きょくびん |
もみあげ後縁の上方で、耳尖の高さに取る。 | 頭痛、歯痛、顎関節障害、構音障害 | 「曲」は曲がること、「鬢」は側頭部の耳前の髪の毛を指す。、率谷穴まで経脈がここより曲がるため。
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GB-8
| 率谷
そっこく |
角孫(三焦経)の上1寸5分に取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り、目赤 | 「率」=めぐる。「谷」=陥凹部。本穴は耳のあたりの髪際に沿い、3つの縫合線部にあるため。 |
GB-9 | 天衝
てんしょう |
率谷の後方5分に取る。 | 頭痛、歯痛、歯肉の腫脹・疼痛 | 「天」は頭頂にある百会穴のこと。「衝」は通ずる道のこと。本穴は百会へ通ずる道の役割を持つ。気滞による頭部の痛みを取る作用がある。
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GB-10
| 浮白
ふはく |
耳尖直後の髪際の後方1寸に取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り | 「浮」は浅い表、経気が軽く浮いて上昇すること。「白」は五臓の肺に属す。肺疾患に有効な経穴のため。 |
GB-11 | 頭竅陰
あたまきょういん |
乳様突起の後上方で、完骨から天衝に向かって約3分の1のところに取る。 | 頭痛、めまい、耳鳴り | 「頭」は頭部、「竅」は孔、「陰」は陰陽の陰。耳の後ろ(陰側)にあることと、本穴は七竅(眼・鼻・口・耳)の諸症状に効果があるため。
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GB-12
| 完骨
かんこつ |
乳様突起基底部の後下方の陥凹部に取る。 | 頭痛、頚項部痛、歯痛、肩こり | 乳様突起を昔は完骨と呼んでいた。本穴がその下にあるため。 |
GB-13 | 本神
ほんじん |
神庭穴と頭維穴を結ぶ線上で、頭維穴の内方1寸5分に取る。 | 頭痛、めまい、頚項部痛、不眠症 | 脳は人の根本で、元神の府である。本穴は前頭部で、神庭に横にあり、その内は脳であるため。
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GB-14
| 陽白
ようはく |
眉毛中央の上1寸に取る。 | 頭痛、眼の諸疾患、三叉神経痛、顔面神経麻痺 | 「白」=明るい光。本穴は眼疾患に効果があり、ここを刺激すると、陽光が射すほどにものがはっきりと見えるようになるといわれることから。 |
GB-15 | 頭臨泣
あたまりんきゅう |
瞳孔の直上で、神庭穴と頭維穴を結ぶ線上との交点に取る。 | 頭痛、めまい、眼の諸疾患、鼻の諸疾患 | 「泣」=声を上げずに泣くこと。人は泣く寸前に鼻腔から前頭部にかけて涙があふれてくる。この上腋の道を鼻水と涙が下るところのため。
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GB-16
| 目窓
もくそう |
頭臨泣穴の後1寸に取る。 | 頭痛、めまい、眼の諸疾患、鼻の諸疾患 | 「目」は眼、「窓」は光を入れる窓。本穴の脈気は眼に通じ、眼の窓を明るくする。 |
GB-17 | 正営
しょうえい |
頭臨泣穴の後2寸、目窓穴の後1寸に取る。 | 頭痛、めまい、歯痛 | 「正」は正確。「営」は営気の意味。頭部5穴の真ん中にあり陽気が集結するところ。
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GB-18
| 承霊
しょうれい |
頭臨泣穴の後3寸5分、正営穴の後1寸5分に取る。 | 頭痛、めまい、鼻の諸疾患 | 「承」は受ける。「霊」は神のこと。本穴は頭頂で通天の傍らにあり、神の思惟活動に関与しているため。 |
GB-19 | 脳空
のうくう |
頭臨泣穴の後5寸、承霊穴の後1寸5分で、脳戸穴の外方2寸に取る。 | 頭痛、めまい、頚項部痛、動悸 | 「空」は孔や陥凹。本穴は脳戸の横で、後頭骨下部の陥凹部に挟まれているため。
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GB-20
| 風池
ふうち |
乳様突起下端と?門穴との中間で、後髪際陥凹部に取る。 | 頭痛、まめい、眼の疾患、感冒、発熱、肩こり | 「池」=浅い溝。本穴は風邪が好んで滞積するところ。 |
GB-21 | 肩井
けんせい |
肩?穴と大椎穴を結ぶ線のほぼ中間で、乳頭線上に取る。 | 後頭部痛、頚腕障害、肩こり、背部痛 | 「肩」は肩部。「井」は陥凹の経気の深いところ。本穴は肩部にあり、その下の胸郭は井戸のような空洞のため。
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GB-22
| 淵液
えんえき |
腋窩中央の下方3寸で、中腋窩線上の肋間に取る。 | 胸脇苦満、肋間神経痛、腋窩部の腫脹 | 「淵」は深い溝。「液」は腋に通ず。淵液はもともと腋のことで、本穴は腋に深いところにあるから。 |
GB-23 | 輒筋
ちょうきん |
淵液穴より乳頭へ向かい1寸に取る。 | 胸脇苦満、肋間神経痛 | 「輒」=轍。本穴は肋間にあり、湾曲しているさまが肋骨ににている。「筋」=筋肉。第四肋間間隙の筋肉にあることから。
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GB-24
| 日月
じつげつ |
期門穴の直下5分に取る。 | 胸脇苦満、肋間神経痛、嘔吐、げっぷ、黄疸 | 本穴は胆経の募穴で、胆は中正の官、決断の出るところ。決断=明(真理)。明の字は、日と月からできているから。 |
GB-25 | 京門
けいもん |
第12肋骨前端下際に取る。 | 腹脹、腸鳴、下痢、腹部膨満 | 「京」は都のこと、「門」は気血の往来するところ。本穴は腎の募穴であるので、腎は水を主るので、ここでは、水門のこと。水道不利に有効。
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GB-26
| 帯脈
たいみゃく |
章門穴の下1寸8分で、臍と同じ高さの水平線上に取る。 | 婦人病、腹痛、腰肋痛、疝気 | 腰紐のように腰部に位置するので名づけられた。 |
GB-27 | 五枢
ごすう |
帯脈穴の内下方3寸で、上前腸骨棘の内側に取る。 | 婦人病、腹痛、腰肋痛、疝気 | 「五」は五臓のこと、「枢」は枢要のこと。腹部の胆経の真ん中に五枢がある。本穴は五臓の気の集まる枢要な部である。
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GB-28
| 維道
いどう |
五枢穴の内下方5分に取る。 | 婦人病、腹痛、腰肋痛、疝気 | 「維」=つなぐ、「道」=通り道。本穴は帯脈が連接して身体正面を通り道となっている。 |
GB-29 | 居リョウ
きょりょう |
維道穴から環跳穴に向かい下3寸に取る。 | 腰腿痛、片麻痺 | 「居」は屈曲・かがむ。「リョウ」は骨の陥凹部。膝を屈して、できた陥凹部にある。
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GB-30
| 環跳
かんちょう |
仙骨裂孔(督脈の腰兪)と大転子の頂点とを結ぶ線を3等分し、大転子の頂点から3分の1のところに取る。 | 坐骨神経痛、殿部痛、片麻痺、下腿の知覚・運動障害 | 「環」は環の様に曲げること。「跳」は跳躍の意味。股関節周囲の動きに関することを主治とする。 |
GB-31 | 風市
ふうし |
立位して上肢を下垂したとき、大腿外側に中指頭があたるところで、腸脛靱帯と大腿二頭筋の間に取る。 | 片麻痺、下腿の知覚・運動障害 | 「市」は集合・集結。「風市」は風気の集結するところを指す。
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GB-32
| 中トク
ちゅうとく |
膝窩横紋の上方7寸で、腸脛靱帯と大腿二頭筋腱の間に取る。 | 片麻痺、下腿の知覚・運動障害 | 「トク」は溝。用水路。大腿部の外側にあり、風市と足陽関の間にあり、その中央にある。脈気が狭い水道を流れるように通過する。 |
GB-33 | 足陽関
あしようかん |
中?から腸脛靱帯後縁に沿って下がると大腿骨外側上顆に触れ、その上縁に取る。 | 膝関節障害、下腿の知覚・運動障害 | 「陽」は膝外側(陽側)、「関」は関節を指す。膝の陽関ともいう。
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GB-34
| 陽陵泉
ようりょうせん |
膝をたてて腓骨頭に前下際に取る。 | 片麻痺、膝関節障害、下腿の知覚・運動障害、口苦、嘔吐 | 「陽」は足の外側面、「陵」は高いところで腓骨頭を指す。「泉」は腓骨頭前下部の小さな陥凹部を指す。経気の集まるところ。 |
GB-35 | 陽交
ようこう |
外果の上7寸、外丘の後方で長腓骨筋とヒラメ筋の間に取る。 | 片麻痺、膝痛、下腿の軟弱無力、胸脇苦満 | 「陽」は下腿の外側。「交」は交会する。胆経と陽維脈の交会穴であるため、名付けられた。
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GB-36
| 外丘
がいきゅう |
外果から陽陵泉穴に向かい上7寸に取る。 | 項頚部痛、下腿外側痛、胸脇苦満 | 「外」=外側、「丘」=小さな隆起。下腿の外側にあり、筋肉が丘のように隆起するところにあるため。 |
GB-37 | 光明
こうめい |
外果から陽陵泉穴に向かい上5寸に取る。 | 眼の諸疾患、膝痛、下腿の知覚・運動障害 | 胆経の絡穴に属し、ここから別れては肝経に流れる。肝は眼に関与しているため、眼疾患を主治とし、眼に光明を与えることから、名付けられた。
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GB-38
| 陽輔
ようほ |
外果の上4寸の部より前3分に取る。 | 頭痛、、眼の素疾患、片麻痺、下腿外側痛 | 「陽」は外。昔、腓骨を輔骨といった。本穴は腓骨の外側にあるため。 |
GB-39 | 懸鐘
けんしょう |
外果から陽陵泉穴に向かい上3寸に取る。 | 片麻痺、項頚部の強ばり、胸脇苦満、下腿外側痛 | 「懸」はつり下げる。昔、子供や踊り子が、この部位ぶ鐘の形をした鈴をつり下げていたことから。別名を絶骨という。
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GB-40
| 丘墟
きゅうきょ |
外果の前下方、足部の外転背屈し、最も陥凹するところに取る。 | 項頚部痛、下腿の運動麻痺、外果腫脹・疼痛 | 「丘」=小高い丘。丘を大きくしたものを「墟」という。くるぶしの形が丘や墟のたとえて、名がついた。 |
GB-41 | 足臨泣
あしりんきゅう |
第4・第5中足骨底間の前、陥凹部に取る。 | 足背痛、眼の諸疾患、めまい | 足を臨み、経気は眼まで通じ眼科疾患を得意とする。眼は泣くところでもあるため、こう呼んだ。頭と足の臨泣は上下で相対している。
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GB-42
| 地五会
じごえ |
第4中足指節関節の後、外側陥凹部に取る。 | 足背痛、頭痛、目赤、耳鳴り、めまい | 天が頭だと、「地」は足の意味。足背が赤く腫れあがり、5本の足の指が地につけない症状を治すとされ、また、五臓の気が出合うところでもあることから、名が付いた。 |
GB-43 | キョウ渓(キョウ谿)
きょうけい |
第4中足指節関節の前、外側陥凹部に取る。 | 足背痛、頭痛、目赤、耳鳴り、めまい | 「侠」=狭い。「渓(谿)」=細い溝。本穴は足の第4趾・第5趾に挟まれた溝に内にあるため。
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GB-44
| 足竅陰
あしきょういん |
足の第4指外側爪甲根部、爪甲の角を去ること1分に取る。 | 頭痛、目赤、耳鳴り、めまい、不眠、発熱 | 「竅」=隙間。五竅(眼・鼻・口・耳)は全て陰に属す。本穴は頭竅陰の主治と同じであり、部位が足部にあるため、名付けられた。 |