経絡図とツボ
任脈
WHO 表記 |
ツボ名 | 場所 | こんな時に使う | ツボの由来 |
CV-1
| 会陰
えいん |
会陰部の中央にある。 | 排尿障害、痔、月経異常、子宮脱、ED、前立疾患 | 「会」=会合するところ、「陰」=前陰(生殖器)と後陰(肛門)を指している。二陰の間にあるため、名付けられた。 |
CV-2
| 曲骨
きょくこつ |
前正中線上で恥骨結合の上際に取る。 | 排尿障害、月経異常、子宮収縮不全、帯下病、ED、遺精 | 「曲」=曲がる、「骨」=今でいう恥骨のことを。恥骨の上縁の湾曲したところにあるから。 |
CV-3
| 中極
ちゅうきょく |
臍の下4寸に取る。(曲骨穴1寸上) | 尿閉、尿漏、頻尿、生理不順、不妊症、ED | 「中」は体の上下左右の真ん中、「極」は端。この中に、胞宮や精室があり、膀胱経の募穴なので、生殖器系や泌尿器系に効果が高い。 |
CV-4
| 関元
かんげん |
臍の下3寸に取る。 | 尿閉、尿漏、頻尿、生理不順、生理痛、不妊症、ED、下痢、体力回復 | 「関」=関所、重要な場所。「元」=元気。元気が生まれるところ。 |
CV-5
| 石門
せきもん |
臍の下2寸に取る。 | 小便不利、生理不順、腎炎、下痢、腹痛 | 「石」は詰まって通らない。「門」っは経気が開合するところ。通りづらいものを通す作用に効果がある。 |
CV-6
| 気海
きかい |
臍の下1寸5分に取る。 | 臍辺りの腹痛、下痢、生理不順、ED、早漏、自律神経失調症 | 「気」=先天の気、「海」=広く集まるところ。臍下に寒気がたまったり、気の滞る病に作用する。 |
CV-7
| 陰交
いんこう |
臍の下1寸に取る。 | 臍辺りの腹痛、下痢、生理不順、ED、早漏、自律神経失調症 | 「交」=交わる。任脈・衝脈・腎経の陰経の三脈が交わる穴という意味。 |
CV-8
| 神闕
しんけつ |
臍の中央に取る。 | 臍辺りの腹痛、下痢、冷え症、体力回復 | 「神」は生命。「闕」は宮中の門。臍からへその緒をつたい、胎児は滋養するので、臍は神の気の出入り口という意味。 |
CV-9
| 水分
すいぶん |
臍の上1寸に取る。 | 腹脹、腸鳴、、浮腫、水腫、吐き気、胃腸炎 | 水分穴は小腸の入口にある。小腸は水分と物質に分けるとこなので名がついた。 |
CV-10
| 下かん
げかん |
臍の上2寸に取る。 | 食後の腹脹、腸鳴、腹痛、吐き気、胃腸炎 | 「かん」は胃の管全体の意味。下かん穴は下部にある経穴のため。 |
CV-11
| 建里
けんり |
臍の上3寸に取る。 | 胃痛、消化不良、胃下垂、胃腸炎 | 「建」=建ておく、位置する。「里」=居住地、ここでは胃にあたる。胃の通り道の途中に位置することから。 |
CV-12
| 中かん
ちゅうかん |
臍の上4寸に取る。 | 胃の代表穴。食後腹脹、胃痛、嘔吐、下痢、便秘、食中毒、胃下垂 | 「中」=中央。「かん」=胃腑。消化管を表わす。胃の中央にあるため。 |
CV-13
| 上かん
じょうかん |
胸骨体下端の下3寸、中かん穴の上1寸に取る。 | 食後腹脹、胃痛、嘔吐、吐き気、噫気、口臭、吐血、黄疸 | 胃の上部。噴門部にあるため。 |
CV-14
| 巨闕
こけつ |
胸骨体下端の下2寸に取る。 | 食後腹脹、胃痛、嘔吐、吐き気、噫気、口臭、横隔膜痙攣 | 「巨」=並はずれて大きいこと。「闕」=宮中。君主。心に近いため、心の募穴である。心は君主。心気が最もたくさん集まるところという意味。 |
CV-15
| 鳩尾
きゅうび |
胸骨体下端の下1寸、神闕穴(臍)上7寸に取る。 | 動悸、気管支炎、嘔吐、吐き気、噫気、口臭、横隔膜痙攣、肋間神経痛 | 胸骨の剣上突起が、鳩の尾に似ているため。その真下にある経穴なので名づけられた。 |
CV-16
| 中庭
ちゅうてい |
だん中穴の下1寸6分、胸骨体正中線上に取る。 | 胃の不調、胸焼け、逆流性食道炎、吐き。 | 「中」=中央。「庭」=宮殿(君主)の庭園。だん中の下(宮殿の下)にあるから。胸郭は庭園たとえ、だん中は正室で真下の中庭は宮殿の庭となる。 |
CV-17
| だん中
だんちゅう |
両乳頭を結ぶ線が、胸骨帯正中線上に取る。 | 胸焼け、心胸痛、動悸、咳嗽、喘息、嘔吐、げっぷ、肋間神経痛 | だん中は君主の宮城なりと言われている。心の周囲に心包が囲み、心の代わりに命令を受け、胸膜(=宮城)にあるため。 |
CV-18
| 玉堂
ぎょくどう |
左右第3肋骨の高さで、胸骨帯正中線上に取る。 | 咳嗽、喘息、心胸痛、動悸、嘔吐 | 「玉」=高貴なもの。「堂」=前堂。宮殿の前にある建物。?中(=宮殿)」の前にあるため。この名が付いた。 |
CV-19
| 紫宮
しきゅう |
左右第2肋骨の高さで、胸骨帯正中線上に取る。 | 咳嗽、喘息、心胸痛、動悸、嘔吐 | 「紫」=赤。「宮」=中央。任脈はここに至って、心に会合し、血脈(=赤色)を主るため。 |
CV-20
| 華蓋
かがい |
天突穴の下2寸、胸骨角上際正中線上に取る。 | 咳嗽、喘息、心胸痛、咽頭痛 | 華蓋は帝王の車の上に付いている絹の傘のこと。肺は臓腑の中で一番高いところにあり、心(君主)や臓腑を守っていることから、こう呼ばれた。また、肺の別名も華蓋である。 |
CV-21
| せんき
せんき |
天突穴の下1寸、胸骨柄正中線上に取る。 | 咽頭炎、咳嗽、喘息、扁桃炎。 | 「せん」と「き」は北斗七星の星のひとつ。北斗七星が天を動くように、せんきも体の動きにあわせて、動くことから名づけられた。 | CV-22
| 天突
てんとつ |
左右の鎖骨を結んだ中央部の窪みにある。 | 風邪、咽頭痛、甲状腺、逆流食道炎 | 天は上言という。正しい意見を申しあげる意味。突とは喉一番突出している。正確な治療法を選べば任脈の気をスムースに流れてる。 |
CV-23
| 廉泉
れんせん |
咽頭隆起上際で舌骨との間に取る。 | 舌炎、気管支炎、喘息、咽頭炎、言語障害。喉の腫れ。 | 「廉」はすだれ、「泉」は水。任脉气血はここで冷えて下がってくるという。内火上亢や湿邪気などに対応できるツボ。 |
CV-24
| 承漿
しょうしょう |
オトガイ唇溝の正中に取る。 | 顔面神経麻痺、三叉神経痛、下歯痛、顔面浮腫 | 「承」は受けること。「漿」は涎(よだれ)。下歯茎の中央にあるため。溢れ出る涎を受け止める器のようなことから。 |