癌手術後
癌手術後の鍼灸と補完代替医療
当鍼灸院ではがん手術後の痛みや抗がん剤投与に伴う副作用などの鍼灸治療を行っています。痛みの緩和は鍼灸適応症の中で最も得意な分野のひとつと言われており、効果が得られることがあります。病院のモルヒネなどと併用すると効果も高くなる場合が多いです。鍼灸は痛みを和らげるだけではありません。薬の副作用による手足のしびれを鍼灸で緩和できることもあります。また、抗がん剤や癌の手術によるストレスを軽くし、体力と免疫力をアップするなども鍼灸治療の一つの目的です。薬物治療の副作用が強い場合は東洋医学、特に鍼灸治療を受けてみる価値があると思います。鍼灸は副作用のない自然治療の一つですので、お薦めします。
がん手術後の針灸の記事
手術後の痛みや抗がん剤投与に伴う吐き気
1997年(平成9年)11月6日 毎日新聞より
【ワシントン5日瀬川至朗】
米国衛生研究所(NIH)の専門家委員会は5日、中国伝統のハリ治療が,手術後の痛みや抗がん剤投与に伴う吐き気などの治療に有効があるため、医療保険でカバーすべきだとする報告書をまとめた。西洋医学を基本とする米国の医学界がはじめて東洋のハリ治療を認知した。しかし、ハリの理論的根拠となる「気」の存在については「わからなかった」としている。委員会が有効性を認知したのは、手術や歯科治療後の痛みの除去と,がんの化学療法や妊娠に伴う吐き気の治療。こうした対象に限定して,ハリ治療の医療費を保険でしはらうべきだと勧告した。また、麻薬中毒や頭痛、生理痛、筋肉痛、テニス肘、腰痛、喘息の治療やリハビリテーションなどに役立つと示唆された。ハリがなぜ効くのかについての報告書は、人体のツボにハリを刺すことで、鎮痛を持つ生体内化学物質の放出が増えるためと推定した。米国では1972年のニクソン訪中をきっかけにハリ治療が盛んになった。現在約1000万人が米国内で鍼治療を受けているとみられる。伝統的なハリ理論は,人体内を流れる「気」と呼ばれるエネルギーで病気や治療を説明する。「気」にも委員会メンバーは重大な関心をもっていたが、気の有無に関わる証拠は何も発見できなかったという。メンバーの一人は「気が存在しようが(治療には)関係ない」と、米国流の現実的な見方を示している。
がん補完医療 広がる 鍼灸で副作用緩和
朝日新聞朝刊の記事より(2008年3月30日)
国立がんセンター中央病院では20年前から入院・外来患者を対象に、鍼灸治療をしている。米国のがん専門病院や医師らが加わる「国際統合がん学会」(SIO)は去年(2007年)、「がんの統合医療に関するガイドライン」を発表した。統合医療とは、補完代替医療と現代医療を組み合わせること。ガイドラインで、鍼灸は痛みのコントロール、放射線治療による口の渇き、吐き気に
対する補完医療として推薦されている。