東洋医学の血・津液・精について
東洋医学の血・津液・精
東洋医学の血とは
現代医学でいう血液に似ているが、血球成分等の区別は無い。全身を栄養し潤す作用をもつ。また精神活動を支える基礎でもある。
血の作用:>
生理代謝として、生成・運搬・貯蔵があり、生成は脾、運搬は心、貯蔵は肝の主機能とされる。
血の病証
血虚 :体内の血液の不足、ある部分の血液循環機能の減退によって起こる病理変化である。
原因:失血過多や生血不足によって起こる。
主証:顔色が蒼白く、めまい、動悸、舌唇の色が淡く、不眠、視力減退、四肢のしびれやつっぱり、閉経など。
血淤:血液の流れが滞って血管の局部や臓腑の中に停滞した証候。
原因:血液の流れが滞ったや外部打撲や内出血によっても起こる。
主証:淤血局部の刺痛、痛所は固定して移らず、腹内に塊、舌唇は紫暗色。
東洋医学の津液とは
人体中の正常な水液(唾液、胃液、涙、汗等)の総称。
津液の作用:
組織器官の営養と潤滑作用と体液の平衡の維持作用がある。
津液の病証:
津液不足:人体を正常に需要する津液が不足することで、主として口渇、咽乾、唇燥、舌乾少津、皮膚乾燥、、小便少、大便乾結などがみられる。口渇、舌紅、苔黄などの症状がある。
水液内停:臓腑機能の失調によって津液の代謝、輸布、排泄に異常をきたし、水液が体内に停留して発病する。
東洋医学の精とは
先天の気と後天の気(生まれた後、飲食物の摂取によって吸収された営養物から化生した気)が一緒になって作り出された生命活動を支える根本的な物質である。
精の分類:
先天の精:両親から受け継ぐ生殖の精。青年期になると、腎の精気は生殖の精である「天癸」を生成し、生殖能力を高める。
後天の精:飲食物により生成された栄養豊富な物質。全身の蔵府組織に行き渡り、生理活動を維持するエネルギー源となる。