うつ病
うつ病の鍼灸治療について
うつ病と鍼灸
当鍼灸院は大勢のうつ病の方が通ってきています。鍼灸治療で効果をあげています。うつ病の方にとって常に一番よい針灸治療を提供しています。当院はうつ病に対して中医学の伝統的な鍼灸治療法に基づいて、院長が長年にわたる臨床経験を活かし独自の鍼灸治療法を行います。うつ病により起こるめまい、発汗、不眠、頭痛などの不定愁訴が鍼灸治療の適応症となっています。中国医学の考えでは身体のバランスを整えることよって、気分も落ち着き心も晴れやかになってきます。身体が軽くなれば心も晴れやかになるように、針灸治療を行うと身体が軽くなりますし、食欲を増進させたり、睡眠がとれるようにすることで心の負担が軽くなります。うつ病は臨床的には様々な症状がみられますが、これらの症状に対して鍼灸治療は効果があります。うつ病の鍼灸治療の効果が100%ではありません。特に重症うつ病の方には、病院の専門医の投薬等は遵守して頂きながら、鍼灸治療を併用して頂くことにより、長期間にわたり薬を飲み続けているうつ病の方も鍼灸治療と組み合わせることにより相乗効果が認められます。
院長が鍼灸学校でうつ病についての講演会
東洋医学ではうつ病のような症状が古代医学書に記載されています。臓燥(ぞうそう)、郁気(ゆうき、)厥症(けつしょう)などの病名にあたり、主に二つのタイプがあります。
『肝郁気滞症』タイプのうつ病
ストレスによって全身を流れる気が渋滞し、憂鬱になり落ち込んでくる。胸部の圧迫感、便秘、腹痛、肩こりなどが現れる。
また、不眠、のぼせや多汗などの症状もでることがある。人に会いたくない、部屋に閉じ籠もる。舌色は質は紅。苔が少ない。脈は弦滑。
『悩郁傷神症』タイプのうつ病
思慮過度により気滞、気虚になり、元気を失ってしまう。内臓器官の働きが低下して、食欲がない、
疲れやすい、顔色はつやがない。 また、体力の低下によって自分の身体に対して自信がなくなり、
精神不安定、悲観、泣くなどの症状も症状現れる。舌色は白っぽい。脈は細い。
メンタルヘルス疾患の鍼灸レポート
当院では東洋医学の鍼灸で自律神経失調症・うつ病・パニック障害などメンタルケアを積極的に行っています。過去一年間に経過観察した15名の症例の治療効果について調べてみました。発病になる前の状態を100%とすると
①治癒:(100~95%以上回復)2名(13%)
②非常に有効:(90~70%以上回復)4名(27%)
③改善あり:ある程度改善が見られたが完治までは至らない。7名(46%)
④芳しい効果なし:症状が改善されない。2名(1%以下)
次のような症状の方々が鍼灸治療に通ってきています
症例(一
女性35才、会社員
主訴: 眠りが浅くて何回も目が覚める。夢をよくみる。朝に起きられない。
そのほか:一日中頭が重い、身体がだるい。落ち込む、不安感、息苦しさ、たまに動悸、めまい、冷え、下痢、食欲がない、目がかすむ等。
経過:様々な病院へ行った。初めに行った心療内科では、パニック障害だと言われ、パニック障害を専門とする心療内科に行けば、単に自律神経が乱れているだけだと診断された。病院によって診断がまちまちだったが、自律神経が乱れているという事だけは共通していたので、鍼灸に通ってみたいと思って来院。ご本人は薬が大嫌いので、安眠剤などは服用していない。
症例(二)
男性32才、システムエンジニア
主訴:最近そわそわして眠れない。寝たと思っても、すぐまた目が覚める。そのほか:イライラ、小さなことで腹が立つ。肩、首こりがひどい、目の奥が重くて痛い、たまに頭痛がする。口苦など。経過:4か月前に職場内異動があり、仕事の量が増える一方、思うように仕事が進まない。職場の近くのマッサージや整体にも行ったが、肩こりが少し軽くなった程度で、睡眠障害がなかなか改善されない。ネットで鍼治療を知り、来院した。
症例(三)
女性47才、主婦。
主訴:寝つきが悪く眠りが浅い。そのほか:のぼせ、冷え性、肩こり、片頭痛、便秘、よく寝汗をかく、手足のほてり、生理不順で最近は来なくなっている。経過:二年前から体が変だと感じていたが、周りの人によく怒りっぼくなったと言われている、じっとしていることができない。子供の将来や主人のリストラなどいつも不安。夜中によく目がさえて眠れない。口が渇しよく水を飲む。真冬でも手足がほてって布団から出ることがよくある。最近何か月がどんどん症状が出ている。病院で更年期障害と言われている。ホルモン剤を処方されたが、あまり改善されない。知人の紹介で来院。
うつ病とは何か
うつ病は気分がひどく落ち込んだり何事にも興味を持てなくなったりして強い苦痛を感じ、うつ病は日常の生活に支障が現れるまでになった状態です。うつ病はこうした状態は、日常的な軽度の落ち込みから重篤なものまで連続線上にあるものとしてとらえられていて、うつ病の原因についてはまだはっきりとわかっていません。 うつ病の基本的な症状は、強い抑うつ気分、興味や喜びの喪失、食欲の障害、睡眠の障害、精神運動の障害、疲れやすさ、気力の減退、強い罪責感、思考力や集中力の低下、死への思いであり、他に、うつ病は身体の不定愁訴を訴える人も多く、被害妄想などの精神病症状が認められることもあります。
うつ病の症状
うつ病は次にあげる症状のうち、4つ以上が持続的に認められれば『うつ状態』または『うつ病』が強く疑われます。
- 一日中気分が落ち込んでいる
- 何をやっても根気がない
- 簡単なことが決断できない
- 特に朝方に憂うつ
- いつもより早く目覚める
- 生きていても仕方ないと思う
- 理由もなくいらいらする
- 疲れ易く活力が出ない
- 些細なことに申し訳ないと悩む
- 何に対しても興味も喜びも持てない
- 食欲がない
- 頭の回転が鈍い
- 自分は価値のない劣等な人間だと思う
うつ病になりやすいタイプ
うつ病になりやすいはどんな人? 現在は、誰もが複数のストレスを持ってるので、誰もがうつ病と無関係とは言えません。しかし、その中でも特に下記の素因をもつ人がストレスにさらされたうえ、傷心、転勤、出産などで違う環境に置かれるとうつ病になりやすいといわれています。
- まじめで仕事熱心
- 完全主義で几帳面
- 仕事や家事を人任せにできない
- 融通がきかない(思考が柔軟性に乏しい)
- 人にどう見られているか非常に気になる
うつ病 メンタルのツボ押し
イライラする
ツボ名:百会(ひゃくえ)
場所:頭のてっぺん、左右の耳の先端を結んだ線と眉間を後ろに下がった線が交差するところ。
手技:両手のさし指で頭の中心に向け押す。15回ぐらいじっくりと押して離す。
ツボ名:太衝(たいしょう)
場所:足の甲で、足指の第一の骨と第二の骨の交わるところの前の窪みにあるところ。
手技:爪楊枝を10~15本、ゴムバンドで束ねる、あるいは指圧をしてみましょう。気持ちがイライラするような場合はやや強めの刺激が効果的。
効能:気が頭に昇り、怒りっぽくなったり、イライラする症状に効くツボ。
心が疲れたのツボ
ツボ名:内関(ないかん)
場所:手のひら側の手首のしわの中央から肘に向かって指幅三本分のところ。
ツボ名:労宮(ろうきゅう)
場所:手のひらのほぼ中央にあるくぼみにある。
手技:親指やボールペンでツボのことろに20回くらいゆっくり押し揉む。指で強めに押しましょう。
胃腸が痛いときにツボ
ツボ名:期門(きもん)
場所:両乳首の真下へ下がった線と肋骨の下(第九肋骨)が 交わるところにある。
ツボ名:梁門(りょうもん)
場所:上腹部にあります。みずおちと臍の中間点(中かん穴)から外側指3本目のところにある。
手技:両手の指の腹で梁門や期門を円描くように軽く揉んだりして刺激しましょう。