こんにちは。早くも夏のような暑さが続いていますが体調を崩されたりしていませんでしょうか?

以前、東洋医学の鍼灸は独自の診断法である四診(望診・聞診・問診・切診)のうち「望診」についてお話ししましたが、今回は2つ目の「聞診」についてお話ししたいと思います。

「聞診」の「聞」には「音を聞く」と「においをかぐ」の2つの意味があり、聴覚・嗅覚を使って診察する方法です。患者様の声や呼吸、咳などを聞くこと、また口臭や体臭をかぐことによってお身体の調子を知ろうとするものです。

呼吸や咳による診察は西洋医学でも行われていると思いますが、東洋医学では患者様とお話しする中で、声の大小、声の質、いつもよりお喋りが多いかどうか、なども病状の判断に使います。体臭や口臭なども、その臭いの質によって対応する内臓の病気と結び付けて考えることがあります。

私事なのですが、以前知り合いの鍼灸師の先生とお会いしたときに「あなた、風邪の引き始めじゃない?」と聞かれたことがありました。私はそのときは体調に問題がなかったため「違うと思いますが、どうしてですか?」とお聞きしたところ、「鼻か咽が炎症を起こしているような臭いが微かにするから」と言われました。案の定その2日後、ものすごい鼻水が出てきて発熱し、明らかに風邪の症状が出てきたのでびっくりしました。「聞診」とはまさにこのこと!ですね。私も感性を磨いて、患者様のどんな小さな変化も見逃さず治療に活かしていけるようになりたいです。

次回は鍼灸学の「問診」についてお話ししたいと思います。それでは。

スタッフ 藏田

翁鍼灸治療院