秋分の日が過ぎて、ようやく秋らしくなってきましたね。
東洋医学では秋は燥邪(乾燥による障害)に影響される季節と言われています。夏の暑さにより、脾胃の働きが鈍くなることで、体内の「気・血・津液(体内の水分)」を作る機能が低下し、体内の潤いが不足して、燥邪が体内に入り込んでしまいます。
燥邪のダメージを一番受けやすい五臓は肺です。肺は潤いを好み、乾燥を嫌います。
肺が乾燥してしまうと、免疫力が低下し風邪をひきやすくなったり、呼吸器系の不調を感じたり、肺と深く関わっている大腸も乾燥により便秘気味になったりと、様々なトラブルが起こります。

対策としては・・・

食養生としては、山芋、茄子、柿、ゴマなどの旬のものが良いです。
有効的なツボとしては、肺や大腸を補う『魚際』や『合谷』、疲れた胃腸を整えるために『足三里』などがお勧めです。

☆魚際・・・手のひら側の親指のつけねのふくらみの中央にあります。

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☆合谷・・・手の甲の親指と人差し指の間にあります。

 

☆足三里・・・膝下のくぼみから指4本分下、向こうずねの外側にあります。

 

中国の文献「素問」では、「秋は成熟したものが収穫を迎える時期で、成長が止まり調整するため、鶏と同じように早寝早起きをして、心を穏やかにし、あれこれと行動を起こして気を乱したり、活発にしてはいけない。これに背くと秋の気である肺の気が痛む。」と書かれています。
つまり、秋は早寝早起きし、心身ともにおとなしく過ごすことが望ましいということです。

芸術鑑賞や読書など、秋は秋らしく穏やかに過ごすことが、なによりの養生なのですね。

スタッフ 田原

翁鍼灸治療院