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診察法~切診

東洋医学の診察法~切診

切診とは
西洋医学で言う触診のことで、患者に手指を直接触れて診察する。脈診、腹診、切経などの診断法があるが、もっともポピュラーなものは脈診である。現代中医学のなかで脈診がもっとも重視されているため、このページは脈診を中心に述べたい。

脈診とは
中国では「切脈」「候脈」とも言う。指で脈拍、強弱、リズムなど脈の性状を診て、臓腑、経絡の異常を診断するもので、病位、症状、予後の診断に役立てようにするものでもある。中国医学の診察法のなかで最も代表的な診察法の一つである。

平脈(正常脈)
正常脈は平脈とも言う。無病で健康人の脈象である。両椀の寸関尺の三部ですべて脈が触れ、一息に四至以上五至未満(一呼吸に四回以上五回未満で約一分間70前後)動じるとされている。脈が太くも細くもなく、沈んでも、浮いてもなく、柔和ななか力があり、リズムが一定して乱れず、深く押しても有力である。

正常脈の変動
脈は体内や外界の要素が変化することがある。
①季節:「春は弦、夏洪、秋浮、冬沈」
②性別:女性は男性より脈が弱くてやや速い。
③年齢:若いほど脈拍は速く、青年が有力、老年では脈が硬い
④体格:背が高い人は脈が長い、痩せた人は浮。
⑥飲食:食後や飲酒には脈が有力、空腹では無力。


脈診の部位
古来から遍診法、三部診法、寸口診法の三種類があり、現在は一般的に寸口診法がよく使われている。

古典『難経』に記載されている脈診寸、関、尺部位

左寸 小腸
左関
左尺 膀胱
右寸 大腸
右関
右尺 命門

現代中国によく使われている脈診は『頻湖脈学』
左寸 だん中
左関
左尺 小腸
右寸 胸中
右関
右尺 大腸

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